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ベールがかかった日本、生のタイ

自分でいうものもなんだが、今まで、よくもまあ、あちこち、ふらふらしてきたものだと思う。何を得たのかと問われれば、何があっても動じず、落ち着いて対処することを学んだと答えるようにしている。

生まれ育った日本にいると、町や人がオブラートやベールに包まれているような感じがするのだが、タイにいると人間の欲望も希望も、生のまんま転がっているような気がする。住みやすいのはどこか?という問題ではなく、汚さもうっとうしさも生のまま、目の前にさらけだした現実に圧倒される方が、生を実感できる。それは、たぶん釜ヶ崎や新世界の近くで育ったせいかもしれない。

後から考えるとぞっとしたことだが、昔まだタイに行き始めた頃、バンコクのタイ人の世話で一時期、家の一部屋を1ヶ月間借りていたことがある。3LDK+女中部屋という家の他の住人は、家の持ち主の会社で働くOLであり、私は、帰国の飛行機を待つ期間、のんびりするだけだったので、昼間一人でいることが多かった。後、女中部屋には、その会社の清掃をするおばさんが住んでいた。

ある日、一人で過ごしていると、誰かがバイクでやってきた。
「プック、いる?」と、若い男性がバイクに乗ったまま、柵越しに聞いた。
私は、この家の住人の名前を知らない。何せタイ語もまだよくわからなかったのだから。
つたないタイ語で、「誰のこと?」と聞くと、彼は「プックだよ。知らないの?」と繰り返す。
とりあえず今私しかいないため、わからないと伝えると、今度は
「”コーン(物)、預かってない?」と聞いてくる。
<コーン>というのは、一般的に「物」のことを指すので、何を言っているのか私にはさっぱり。
「”もの”って何?」と聞くと、彼は苛立つように「”もの”だよ”もの”!」

さっぱり訳がわからないまま、彼は去り、私は部屋に戻った。
その日の夕方、電話があった。住人たちが働く会社からだった。
「マリコ、早くそこを出て、オフィスに来なさい。プックが、覚醒剤売買で捕まった。ヤクザが来るかもしれない」

ぞっとした。あわててオフィスに避難。プックはやはり掃除のおばさんのことだった。彼女自身は、警察官のぬれぎぬだと言っているのだが、逮捕されたのは確かだった。
昼間<コーン>を探して人が来たことを告げると、人々は「やっぱり、、、、」
そして彼女の部屋をあら探ししたのだが、何も出てこなかった。

あのおばさんが・・・・。
私には、何がどうなっているのかわからなかったけれど、そのおばさんは、そのまま刑に服すことになった。<コーン(物)>という単語は、こういう時にも使うのかと、なんか変に納得したものである。

タイは覚醒剤中毒が多いんだなあと思っていたら、帰国後近くの西成で覚醒剤を売る小屋が常設されていたらしく、検挙の記事。日本では単に見えていなかっただけなのか。マリコ

by chachamylove2003 | 2005-05-07 09:43 | タイ諸々