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久しぶりのカチン

年齢のせいか、このところ怒りに駆られると心臓がバクバクするので、
何があっても怒らず、何事にも冷静に対処する生活をおくってきた。
しかし、今日はさすがに頭にカチンときた。

数か月前、一度会っただけのタイ人女性から突然電話があった。
日本人の夫に殴られ、興奮して泣きじゃくりながら助けてくれと訴えている。
その時は、話を一応聞いてから冷静になって自分と娘の将来のことを考えて・・・と言って電話を切った。
以前から、DVの話は聞かされていた。
夫が子どもの父親としての責任感がある男性ではないことも、接したことがある日本人たちから聞いていた。
その男性に会ったことがある人は誰しも、彼女に離婚を勧めていた。

夜になって、また彼女から電話があった。
また殴られて、殴り合いのけんかになったので、警察を呼んだと。
あわてて、今評判になっているワンストップ型の電話相談を紹介して
そこで対処の方法を聞いてみた方がいいと告げた。
そこには外国語ができる担当者がいるはずだ。

彼女も電話をしたらしい。

しかしその後、なぜか私のところに警察から電話があり
現状を説明され、今回は警察が夫に厳重注意をし、被害届は出さないことで双方が納得したと言われた。
「あれ?そんな話になっていたの?」
私は距離的に遠くて会いにいくことができない。
それに離婚やビザやら、法律的なことはさっぱりわからない。
だから電話相談室に連絡してもらったのに。

今度は、私の方からその相談室に電話をかけた。
「本人からの依頼でしか、こちらは相談を受けない。
彼女にこちらにもう一度電話をするように言ってください。
住所が近い団体の電話番号を教えるので、
彼女がそこに直接電話して相談するようにしてください。
電話する時間帯は午前9時からにしてください」

おいおい、ワンストップサービスって、単に関係諸団体の電話番号を告げるだけの電話サービスか。
私はてっきり、向こうが関係諸団体に本人に代わって連絡してくれるものだと思っていた。
これって、単にたらいまわしって言うのじゃないか。
久しぶりにカチンときた。

タイ人である彼女は、日本語がうまくない。
だから、一生懸命状況を説明しようとしても、なかなか理解してくれる人がいない。
日本の法律も何も理解していない。
そこが問題であるのに・・・。

ふと、認知症の父親の介護をしていた時のことを思い出した。
継母の暴言に耐えながら、父のために文字通り一日24時間、自宅で介護していた。
ヘルパーなどを頼みたくても、継母が反対して、他人を家に入れてくれなかった。
フラフラになりながら、やっと時間を見つけて、保健所に行った。
介護保険制度がなかった頃なので、相談先は保健所しかなかった。
保健師さんが一度来て、一度家の状況を見てくれた。
その後、連絡がないまま、父の葬式の日に保健師さんから
「その後、どうですか?」という電話があった。
「今、葬式の最中なので失礼します」

助けは、必要な時に得られるものではないと悟った。
でもそれではいけないのではないかとも思った。
どういう方向に進めばいいのかわからないとき、
一人ぼっちで、前が全く見えないとき、誰かの助言が必要。
それが公的機関の役割ではないのかと。
問題がある人は、平日の公務員時間に電話をかける時間がない。
私はそうだった。
だからなかなか助けを求めることができなかった。

また夜中に彼女から電話があった。
今度こそ、離婚を決めたと。
先は長いと思う。
DVはなかなかやめられない。
他人が口出すことではないが、
相談窓口が単に電話番号案内サービスであり続けるなら
いつまでも問題は解決しない。

久しぶりにカチンときたので、
友達にそこの相談室の内情を聞いた。
「みんな、予算の取り合いに忙しいので
時間がかかりそうな相談にのりたくないのよ」
お上からの予算で運営されている団体の宿命か。

ああ、またカチンときた。

by chachamylove2003 | 2012-11-22 01:36 | 大阪