親孝行

親孝行の親って誰?
いつも私を悩ませる問題だった。

中学に入ったとき
教頭先生に呼び出されて
「おまえの母ちゃん、どれやねん?」と言って
突きつけられたのは、私の戸籍謄本。
私の戸籍謄本は、いっぱい文字が書かれていて
すごく読みにくい。
私は、母の欄に苗字の違う女性の名前があるのを眺めつつ
小5の時死んだ母ではなく
小6の終わりごろに父と結婚した女性の名前を指差した。
そして何も言葉を発しないまま、その場から解放された。

母の日になると、白いカーネーションを買えばいいのか
赤いカーネーションを買って、二番目の養母にあげたほうがいいのか悩んだ。
悩んだ結果、ピンクのカーネーションを
養母にあげたが、生花は嫌いだといわれて
二度とあげることはなかった。

私にとって、母とは産みの母ではなかったが
生まれてから小5まで一緒にいたのが、母だと思うようにした。
小さい頃の思い出は、時を経るごとに美しく昇華されていく。
でも私を産んだ人への想いは募るばかりだった。

東北タイの農村で、よく仏教寺院へ行った。
毎朝、年配女性たちが食施に行くのについて
私も一緒に功徳を積んだ。
タイの母は言った。
「この経を唱えているときに、両親や恩人の顔を思い浮かべることで
功徳を送るんだよ」
私は正直に問うた。
第一養母はすでに亡くなり、第二養母が今の母で、
それとは別に会ったこともない実母がいることを告げ、
私は誰に功徳を送ればいいのかと。
実母に功徳を送りたいが、顔も知らない、生きているのかどうかも
知らない。
タイの母は答えた。
「それでもマリコを産んでくれた実母が一番功徳を得るべき。
想いを届けなさい。いつも心で思いなさい。
そうすればマリコが積んだ功徳が届くから」

私はタイにいるとき、いつもそうしてきた。
だから、だからこそ、実母に会うことができたんだと思う。
タイの母に感謝。

そんなことを考えながら
今、実母の古びたセーターの毛玉を
毛玉取り器で取っている。
あまりに古いので、新しく買ってあげようかと思ったが
きっと大事に使ってきたので、捨てたくないのだろう。
私が毛玉を取って、家でクリーニングすることにした。
じーーじーーーっと毛玉取り器で気長に毛玉をとりながら
なんとなく幸せを感じている。
これも親孝行になるのかな。
マリコ
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by chachamylove2003 | 2010-02-23 00:15 | 私的なこと