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男の子?女の子?

日常生活に追われ、はや5月も終わり。一体何をしている毎日なのか。とほほ。

新聞を見れば、なにやら知った顔をよく見かける。近所の焼き肉屋さんの子が今や作家になっている。中学生の頃からナンパな生活をして、本など読むタイプではなかったのに、人生どこでどう転ぶか(?)わからないものだ。
身動きできない生活をしていると、これまで出会った人々の近況を知りたくなる。あの人は今?の私的バージョン。
なかでも気になる一人がヌイだ。

ヌイは、かれこれ8年ほど前に一ヶ月だけ雇った調査アシスタントだった。とは言っても調査のノウハウは知らなかった、、、。どうして雇ったかと言うと、車でいろいろなところに行くのに、女一人では運転手(ほとんどの場合男だ)と二人でホテルなどに泊まらなければならない。別の部屋とはいえ、気を使って疲れてしまう。だから一緒に泊まれる女の同行者が欲しかった。

大学を卒業したばかりの彼女は、教員試験を受けようとしていたが、受験勉強よりもまだまだ遊んでいたいようで、大学の先生の雑用などをして学生寮に寝泊まりしていた。

私より背が低く、同じ年代の若いタイ人女性と比べ肉付きがよく、肌も黒くて、まるで少年のようだった。服装も男子が好むカーキ色のジャンパーにボロボロのジーンズ。喋ることばは「グー(俺)」。私は男と一緒にいるのか、女となのかわからないほどだったが、年下なので、気楽な旅ができた。

彼女との珍道中で気になったことと言えば、初めて会う人たちが、彼女が席を外すと必ず私に対して「なんと醜い女」と吐き捨てるようにつぶやくことだった。

なんとひどい言い方をする大人たちだと思ったが、それが一人や二人ではないのだ。二人で地方都市の書店に入ったときなどは、あからさまに店長が「しっしっ」と言って彼女を追い出そうとした。

確かに彼女の言動にも問題はある。権威主義的なものが大嫌いな彼女。年上の人にも、お役人にも「グー(俺)」と言ってしまう。この私でさえ何度もお説教をしてしまった。親しい友達以外の人に「グー(俺)」を使ってはだめ、丁寧に話すこと、スカートを履けとは言わないがTシャツとジーンズは洗って清潔そうに見せろ!

でもだからと言って「醜い女」と言われる筋合いはない。直接罵倒されることはなくても、彼女自身も嫌な雰囲気に気づいていた。
「自分が大人に嫌われているのはわかっている。でもどうして嫌われるのかがわからない」

そして彼女は自分の家族の話をし始めた。東北タイの農家に生まれたが、彼女を親戚に預けて、両親はすぐにバンコクに出稼ぎ。ずっと村の親戚の家をたらい回しになっていたので、どこが自分の家かわからなくなっていた。友達は男ばかり。男の子と一緒に遊び、同じ家に泊まる生活を続け、大学に入っても男友達の部屋に居候。男たちも彼女のことを「男」仲間だと思っているようで、一緒になってかわいい女の子を追いかける始末。

女の子と居るときの態度は、男そのもの。「彼女(ノーン)、元気?僕と一緒に映画いかないー?」ってな感じで、男を演じ、女友達も彼女のことを男の友達として扱う。「夜道が怖いから、送ってーーー」

彼女が女友達の家に行くと、両親や親戚があからさまに彼女のことを邪険にするのがよくわかった。たぶん彼女が本当に男ならば、女の子の両親は同じ大学の友達として丁寧に扱ってくれただろうに。

「なんとなく、生きにくい。男が好きか?女が好きか?そんなことわからない。これまで恋愛と呼べるようなこと、なかった。小さいときから周りに男しかいなかったし、お母さんと一緒に住んだことはほとんどないから、女の人がどんなものなのか、どうしてもイメージできない」

仕事が終わり別れるとき、聞いた。
「これからどうするの?」
彼女は答えた。
「チェンマイには、私と同じような人がいると聞く。そこに行って仕事を探そうと思う」

それが彼女との最後の会話。今どこでどうしていることか。自分の生き方を見いだして元気に生活していたらいいな。合掌。マリコ
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by chachamylove2003 | 2008-05-23 23:37 | 東北タイ