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Tai Orathai ルークトゥン・モーラム

2005年今年タイに行ったとき、手に入れたターイ・オラタイのCDがお気に入り。ターイは「死ぬ」というタイ語ではなく、うさぎさんの方。カタカナで書くとややこしい。

ターイ・オラタイは、東北タイ出身の歌手。今、すごくヒットしている。若くてきれいな女性だが、東北タイの若い女性たちに絶対的人気がある。

彼女が歌う歌は、タイ語に地元イサーン語を少し混ぜたもの。それを少しだけ東北タイ地元の民謡であるモーラムの節を加えて歌い上げる現代的歌謡曲(?)。

そもそもルーク・トゥン(田んぼの子)は、都会に出稼ぎに来た地方の人々が郷愁をこめて歌い上げるタイ風演歌だった。バンコクで働くのは辛い、早く田舎に帰りたい、田舎に残した愛しい人はまだ僕のことを待っていてくれるだろうか、、、、といった歌詞が多かった。

ターイ・オラタイの歌も、バンコクに出てきた地方出身者が主人公。でも以前のルークトゥン・モーラムと少し変わったことと言えば、彼女自身が地方から夢を求めてバンコクに出てきた東北タイ人であるせいか、歌詞の主人公は若い女性なのだ。大学に行きながら働き、夢を求め、愛を求め、毎日奮闘している女性。一人で頑張り、誰かに頼りたいけど、今は一人で我慢するわというもの。そこにかつて描かれていた郷愁の思いはない。

現代風に、前払いカード式携帯電話が頻繁に登場し、恋人への思いを伝えるのに重要な役を果たす。カラオケVCDの画面に、緑の田んぼや森は登場しない。バックは、都会の高層ビル群、スラムのバラック、汚い路地裏、そして工場、授業風景、小さな小さな暗い部屋。

バンコクに出稼ぎに来て、いつかは田舎へ帰るんだという意識は、もはや今の若者にはない。農村にしても、人口増加と開墾の限界のため、誰もが耕作地を手に入れるような時代ではなくなった。

東北タイの労働者は、これまでも常にバンコクで低所得層を形成していた。学歴もなく、コネもないままでは、いい給料の職につける手段がなかった。全体的に経済が上向きなタイの現在でも、あまり状況は変わっていない。誰もが高校を卒業し、多くの人が大学に行くようになった。だからよけいに大卒の失業者も増加。

でも意識は変わった。歌の中の女性たちは、田舎を逃げ場にしていない。常に前向き。

バンコクに住む村出身者の元を訪れて、そんな若い女性たちにたくさん会った。外国人相手のみやげ物屋、工場などで働きながら、大学に通う。例え、途中で挫折するにしても、失望するにしても、夢はないより、あるほうがいい。

ほんの10年ほど前まで、大学生ができるバイトは限られたものだった。なぜならウエイトレスや店番などは、それこそ月1000円にも満たないような安い給料しかもたらさなかったから、学費の足しに全くならなかったのだから。

今、知り合いが働くみやげ物屋で夕方から真夜中まで働き5000-8000バーツ(1万5000円から2万4000円。公務員の初任給が8000バーツほど)。これなら節約すれば、大学に通える。睡眠時間は少なくなるだろうけど。

おばさんマリコとしては、がんばってほしいなと願わずにはいられません。マリコ
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by chachamylove2003 | 2005-11-07 00:52 | モーラム