刺青と僧侶

近所の銭湯で、久しぶりに「もんもんからくり」の人を見た。女湯で見かけることは今までなかったし、プールや銭湯も「刺青お断り!」の看板が多い中、その銭湯にはそんな看板がないことに気づいた。

「もんから」と言っても、足の太ももだけに見事な模様が描かれていた。タトゥーではなく、ちゃんとした刺青。目が悪いので、細かい模様までよくわからなかったが、孫を連れた若いおばさんだった。

タイにも伝統的に刺青がある。タイの場合、宗教的意味が大きく、今も僧侶や還俗者が霊験あらたかな刺青を施してくれる。一色のみのシンプルなもので、とても美しいものとはいえない。

でもそれぞれの刺青には、「銃で撃たれても弾が皮膚を通らない」「犬に噛まれても歯がたたない」「あらゆる悪霊を追い払う」「運勢をよくして金持ちになる」と言った力を持つ呪文が刻み込まれる。変わったところでは、声を使う職業の人のために、舌に色をつけない呪文を刻むと、美声になり魅力的な話ができるようになるというものもある。

タイでは僧侶がいろんなことをする。刺青だけでなく、呪文を書いた護符も作って配るし、聖水を作って悪霊も祓う。また僧侶として瞑想修行を続けると、空を飛び、未来を予測でき、あらゆるものをトランスポートさせることもできる。

また彼らも真剣に「できる」ということを強調するし、「あの坊さんの占いはよく当たる」と評判になれば、人々が行列を作る。

東北タイのコラートにもクン和尚という有名な僧侶がいる。彼に土地権利書を踏んでもらうと、その土地の値段が上がるということで、バブル経済のときは多くの人が土地権利書を持って並んだものだ。現在のタイの皇太子が、クン和尚に面会したとき、和尚に敬意を払わない態度をとったため、皇太子が帰ろうとすると飛行機が壊れただの、車が事故を起こして骨折しただのと噂された。

そんな話になると、タイ人は「そんなの信じない」を言う人を含めて、みな身を乗り出してくる。「これは、どこそこの有名な僧侶がくれた数珠」「これは、護符」「これは仏像」、、、、、またそんなものを私にも「持っていたら、危険から回避できるから」と言って、多くの人がくれるため、うちにはわけのわからないペンダントや僧侶の顔が彫られたコインなどが、山ほどある。刺青は持ち運びに便利だけど、他のものは捨てるのも悪いような気がして、数は増えるばかり。

やっぱり、刺青は体にくっついている分、捨てることを考えなくていいから楽そうだなと、思う今日この頃。マリコ
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by chachamylove2003 | 2005-04-06 17:45 | タイ諸々